夏の終わりとスマイル
夏が終わりを迎える頃、読み返したくなる本がある。永井宏さんが8年くらい前に書いた「スマイル」という青春小説だ。それは、ビーチボーイズ beach boys の幻のアルバム「スマイル smile」のエピソードを引用し、逗子の海辺の別荘を舞台にした、センチメンタルで瑞々しいストーリー。
5人の男女が理想とする現代のコミューン。あきらめてしまったことへの後悔。自分に何が出来るのだろうという焦燥。「共有〜」と「永遠〜」というフレーズがずっと頭から離れない。学生時代の甘酸っぱい記憶と繋がって、いろんな意味でぼくにとってあこがれに近い小説だ。
ジャン=リュック・ゴダール Jean-Luc Godard、勝手にしやがれ、ジョナス・メカス Jonas Mekas、リトアニアへの旅の追憶、ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders、都市の夏、フランソワ・トリュフォー François Truffaut、ブライアン・ウィルソン Brian Wilson、キンクス Kinks、ラヴィン・スプーンフル Lovin' Spoonful、ボレックス Bolex、逗子秋谷、太陽は美しい、スマイル・バッジ :)。
こんなキーワードが確信犯のようにちりばめられている。
そして、ぼくがもう十数年つきあっている愛車、ルノーキャトル renault 4 が逗子の海岸線を颯爽と走る。
今日、よく立ち寄る大船の古本屋のワゴンコーナーで、偶然「スマイル」を見つけた。
今年もまたしっかり読みなさい、ということなのかなあ。
鈴虫の声が聞こえ、ひんやりした夜風を感じ始めた今宵、読み返すタイミングにはもってこいかもしれない。
新しい生活のスタイルを築こうと、海辺で暮らした夏は、お互いに素直になることから始まった。気持ちを共有し、分け合うことで、誰にも真似のできない自分たちの永遠を抱き続けられると信じようとした。いつの時代も変わることのない自然の中にいることで、それをより深く感じとることができるようになっていった。(文中より抜粋)
「スマイル」を数年前の夏の終わりに貸して以来、返してくれない Hくんへ。
ぼくはもう一冊手に入れたから、ある意味で共有をしていたその「スマイル」は、永遠の誕生日のプレゼント、ということでよろしくー :)
「スマイル smile」
1999年10月1日発行(限定6000部)
著者/写真 永井宏
装幀 篠山小百合
編集 佐藤由美子 前田美紀
発行 サンライト・ラボ
Labels: beach boys, nagai hiroshi, renault 4, smile, スマイル, ビーチボーイズ, ルノーキャトル, 古書, 小説, 本, 永井宏, 逗子

















