Wednesday, June 29, 2005

アフターダーク

ほんとに遅くてはずかしいんですが、村上春樹の「アフターダーク」を読みました。



風の歌を聴け」「...ピンボール」「羊...」「ノルウェイ...」「ダンス・ダンス・ダンス」「スプートニク...」と 、決してハルキストではないけれど、ここ数十年、少なからずどこかしら影響を受けながら接していた村上作品。
暑い季節になると、きまって「風の歌を聴け」を読んでいた記憶があります。

アフターダーク」は、賛否両論のようですね。
「村上春樹は歳をとりすぎた」と言った友人もいました。
また、「村上春樹は、いったいぜんたいどこへ向かおうとしているんだ?」と嘆いた友人もいました。


以下、インプレッション(あるいは僕自身の覚え書き)。

・カーティスフラーとトロンボーンとファイブスポットアフターダーク。
・完全な確信犯?
・「僕」は出てこない。
・易しい表現。
・あらゆる場面での時代感覚の錯誤、ずれ(新しさと古さの意図的な共存? 微妙なミスマッチ)。
・わかりやすいメタファーと隠されたメタファー。
・「映画的視点」あるいは「神」、または宇宙からの眼。はたまた、僕達読者自身の眼か。
・たくさんの表記ミス、表現ミス。三日月など。
・新3部作の序章か?
・装丁はなぜ和田誠か?
・佐野元春のVISITORS。
・関西弁。
・「人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないのかな。」
・コンピューターとユビキタス。 つながっている。
・ゴダールとの接点。「中国女」「男と女のいる舗道」そして「アルファヴィル」!
・村上春樹のアルファヴィル。

以下、作家主義で著名な映画批評家アンドリュー・サリスの言葉。
『「アルファヴィル」を理解して真価を認めることはゴダールを理解することであり、ゴダールを理解することは「アルファヴィル」を理解することである。』


アルファヴィル」は、アンナ・カリーナが「ジュ・テ−ム」と呟く、そのラストシーンのためだけにあるゴダールの最低で最高の映画。
僕のナンバーワン・ファイヴァリット映画。
週末、「アルファヴィル」を観直して、「アフターダーク」を再読します。
気がついていない何かが、まだいくつも張り巡らされてるのだと思います。

『「アフターダーク」を理解して真価を認めることは村上春樹を理解することであり、村上春樹を理解することは「アフターダーク」を理解することである。』

好きならずべてを認め理解せよ!?


追伸:
カーティス・フラーの名盤「ブルース・エット」を、棚の奥から引っ張り出して「ファイブスポットアフターダーク」を聴いています。
小川孝雄氏によるライナーノーツからの引用。

『高度な音楽性が平易な表現で綴られた傑作…』

Wednesday, June 22, 2005

ヤコブセンのセブンチェア、ercol

「セブンチェア」が好きです。
まっ黒な「セブンチェア」を、2脚、長年愛用しています。

1955年にアルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)の手によってデザインされた「セブンチェア」。
今年は2005年ですから、本年は記念すべき50周年です。

昨日、なにげなく西武百貨店のイルムス(ILLUMS)を物色していたら、ちいさなちいさな「セブンチェア」を発見。
50周年を記念した、新たな子供用のバリエーションモデルでした。



ほかにも、レザー仕様、足高のバー・スツール、新色となんだかとっても賑やかです。
とりわけ、子供用のセブンチェアの愛くるしいこと。
自宅の玄関や、オフィス、ちょっとしたアウトドアにもうまく溶け込みそうです。

マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)が版権を買ったという最近話題の「ercol社(アーコール)」のスクールチェアのオリジナルを、英アンティーク家具屋で発見した矢先だったので、ずいぶんと悩みでいます。
どっちもかわいいです。

ercol社 アーコール

「セブンチェア」といえば、横浜の新大桟橋国際客船ターミナルに真っ黒い「セブンチェア」の「大群」を観ることができます。
「セブンチェア」は、左右ラインに沿って数十、数百と規則正しく配置かれている姿が一番美しい!
ファッシド・ムサヴィ(Farshid Moussavi)&アレハンドロ・ザエラ・ポロ(Alejandro Zaera-Polo)の美しい建築デザインと併せ、その凛々しい佇まいは必見です。

Monday, June 20, 2005

生きのびるためのデザイン

故に有の以て利を為すのは、無の以て用を為せばなり
(つまり、カタチあるものが役に立つのは、何もない無の部分のはたらきがあるから)

これは、老子のコトバ。
人間主義デザインの復権を提唱したオーストリア生まれのデザイナー、ヴィクター・パパネック(Victor Papanek)は、名著「生きのびるためのデザイン」でこのコトバを冒頭に引用し、デザインの倫理感・哲学を表現しました。



デザインの本質を、上手に捉えているものだと僕は思います。
生きのびるためのデザイン」(1971年)は、すでに過去の古い書ですが、文脈を「いま」に置き換えることで、その精神はまだ十分生きのびている


眼に見えないものを見えるようにする。あるいは、感じられるようにする。」

見えている「色」や「形」を表面的にあれこれ手を加えてデコレートすることが、デザインの本来の行為ではなくて、隠れているものをどうやって見つけて、どんな風になにかとつなげる(結びつける)のか。

昨夜、調べものがあって、しばらくぶりに書棚からひっぱり出した「生きのびるためのデザイン」。
褪せた頁をめくる。
考え方の基本は、すくなからずここにあったんだと、時を経てもその精神に再び感化。

Friday, June 17, 2005

2006年 年賀状 戌

鼠色の空。梅雨の季節、真っ只中ですが、あるクライアント先から依頼を受けて、来年の「年賀状」のデザインをしています。
2006年は、戌(いぬ)。

前シーズン(今年)の「酉(とり)」の年賀状は、デザインエクスチェンジさんの「おめでた満タン」に、2003年に引き続き参加をし、3枚のデザインを書き下ろしました。
前年同様、たくさんの方々にダウンロードしていただき、ご購入いただいた方々には、遅くなりましたがこの場を借り、深くお礼を申しあげます。



今年は、当サイトでも数種類、ささやかに販売をしようと思っています。

青い空、夏の射す日差しもまだ先で、師走にいたっては、まだまだ先のことですが、今年のアーガイル・ストリート・ティー・ルームの年賀状をよろしくお願いしたします。
「まださき…」そう言っていても、気がついたら暮れなんですよね。
陳腐ながら、光陰矢のごとし。



■追記
以下のページで、フリーダウンロード年賀状を用意しました。

http://www.argyle-street.com/blogs/2005/12/2006_09.html

Tuesday, June 14, 2005

シンプル、ふつうのカレンダー 7月

7月の「シンプル、プレーン、ふつうのカレンダー」を公開しました。
PDFファイルで用意をし、A4サイズ(横)にしっかりと収まり印刷しやすいようにしています。



グリッド・システムで、バランスのよいデザインに仕上がりました。
余白(ホワイトスペース)を多くとり、書き込みができるようにしています。
各プランごとに複数枚使ったり、スケジュール管理のタイムテーブルとしてご利用いただければと思います。(デスク周りや冷蔵庫やトイレに貼ったり、折りたたんで手帖に挟んだり)

非商用に限り、フリーですので、ダウンロードページからぜひご利用ください。